「顔」 ネタバレ 感想~現代版にアップデートって煽りは本気?松本清張への冒涜だな。

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松本清張 二夜連続ドラマプレミアム 第一夜

顔/白い闇 / 松本 清張

1957年(岡田茉莉子・大木実主演)

2009年(谷原章介主演)

あらすじはコチラ→公式サイト

2019年井野聖良(武井咲)は歌手デビューが決まる。
同じ事務所に所属する森尾亘(前田拳太郎)と付き合っている井野は森尾に別れを切り出す。
森尾は日頃から粗暴。
その上二人のベッド写真まで持っていた。
井野は森尾を登山に連れ出し、スマホを取り返そうとする。
もみ合いになった森尾をナイフで刺す。
その後、森尾は崖下に転落。
逃げるところを石岡弓子(後藤久美子)に見られてしまう。

4年後。
井野はデビューを諦め、人間関係は断ちきりひっそりと生きてきた。
気晴らしに動画配信サイトに歌をアップする。
その動画を見た大手芸能関係者にスカウトされる。
井野の条件は覆面歌手としてのデビュー。
了承され覆面歌手”sera”としてデビューが決まる。
そんな中、ひょんなことから石岡と出会う。
気になって気になって仕方のない井野は、石岡の弁護士事務所をのぞき込む。
するとバッタリ石岡に出くわし自転車を倒しながら、しかも殺人の登山ナイフを落として気を失ってしまう。
石岡の手で病院に運ばれてしまう。←夢オチかと思ったらビックリするほど動揺していた。
そして登山ナイフは石岡が預かっておくとか・・・。

デビュー曲はヒットし、全事務所の社長・大西彰(陣内孝則)とこれまたバッタリ出会う。
デビューが決まっていたのに事務所を辞めたのに、大手事務所からデビューしたことを謝罪しろといわれ、サングラスとマスクを外して謝罪。
その様子はゴシップ動画配信者・岩城昌義(緒形直人)が動画に撮っていた。
その後、井野の写真がネットニュースにしょっぴかれる。

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石岡は娘・紗由美(吉柳咲良)の登校拒否に困っていた。
そんな時、紗由美が大勢の生徒に「脱げ」といわれ服を脱ぎ始める動画をネタに娘の同級生の男子生徒・和田友彦から金を要求される。
キッパリと断る石岡。
娘のイジメに初めて気付き、学校へ相談するも、イジメの認識はないといわれてしまう。
証拠を出して訴えればいいとも。
娘の部屋でパソコンの履歴をみていると、井野(sera)の歌を聴いていた様子があった。
娘にイジメのことを訊くが、紗由美は逆上。
いつだって真剣に向き合ってくれなかった。
落ち込む石岡。
ひょんなことから娘が聴いていたseraが自分が助けた井野だとわかり、娘と会って欲しいと頼み混む。
seraの話すことであれば前向きになってくれるのではないか。
「私はあなたの正体を知っている」
といわれてしまい動揺する井野。

結局、紗由美に会いに行く井野←なんで?
紗由美の気持ちは分る。
「私にはわかる
それで傷を抱えて閉じ込めてしまったらあなたを痛めつけた人の思うツボ。
そんな最低なヤツに踏み潰されたままでいいの?
私は思ってる
だから戦ってきたの
歌うって私にとっては戦いなんだ。
新しい歌を歌う井野。
「私だけは私を嫌いにならない」
すると感動した紗由美は部屋から出てきて石岡は娘を抱きしめた。

石岡は脅迫された男子高生に金を払うことにした。
しかし説教はする。
でも金は払う。←ええ?

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またまた石岡の家を訪れた井野。
娘はすっかり前向きになって、フリースクールに通うという。
井野は石岡母娘が4年前の殺害現場となった山で撮った写真を見つける。
そこで殺人事件があり、目撃者となったが、犯人の顔は逆光でわからなくて警察の捜査に協力出来なかったと話す石岡。
コンビニから帰ってきた紗由美と3人で公園でランチ。
するとまた暴露系Kチューバー岩城昌義(緒形直人)現れ、石岡に声をかける。
石岡はシラを切るが岩城はひるまない。

井野は石岡が犯人の顔を覚えていないと知り、顔をさらして歌うことを決めた。

その後、岩城は動画を配信。
石岡の娘が売春しているかのような暴露動画を流す。
娘は大荒れ、そして和田友彦は逮捕。
娘は井野の登山ナイフで岩城を殺してくれと石岡をなじる。
石岡は意を決して岩城に会う。
岩城に渡した酒に睡眠薬をいれ話しをする。
眠りこけた岩城にナイフを突き刺そうとするが・・・できない。
そこへ井野がやってきた。
紗由美からお母さんを止めて欲しいと連絡を受けたとか。
井野がこなくても一線を越えられなかったという。
井野はちょっとらしくないことをしようと、二人で岩城を連れ出しゴミ捨て場に放置。
岩城の腹に落書きをして写真を撮った。
そして岩城と石岡の会話で岩城がアクセス数を稼ぐ為、脚色して動画を配信したという部分もネットに流出させた。
二人は岩城への仇討ちを楽しむ。

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井野が殺害した森尾と女優のベッド動画が流出。
進藤薫(上川隆也)は女優に話しを事情聴取。
女優は森尾がそういう癖があったと話す。
進藤はまた事件を洗うため山へ。
石岡母娘も山へ。
バッタリ会って会話を交す。
やはり石岡は犯人の顔は思い出せない。

上川隆也はもう一度森尾の所属事務所へ
大西彰(陣内孝則)に森尾と付き合っていた女性の話をきく。
上川隆也は陣内孝則は最初から森尾と武井咲が付き合っていたことを知っていたが、事務所の所属タレントへの影響を考え伏せていたのだと直感。
しかしそれは状況証拠だけ。

seraは初めての歌番組出演へ。
歌の途中でスポットライトを浴びたsera。
それまでハッキリしなかった顔にライトを浴びたのを見た石岡は・・・殺害現場でみた犯人の顔とseraの顔が一致。

達成感を覚えテレビ局のエレベーターから出てきたところに石岡がいた。
その瞬間全てを悟る。
「いわないで・・・。
何も言わないで。
あなたに私の素顔を戦う姿を見て貰えて良かった。」
溢れる涙を拭いながら歩くsera
テレビ局を出たところで、上川隆也が待ち構えていた。
そのままパトカーに乗せられて行く。
「私にあなたの弁護をさせて下さい。」

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原作の井野は男性なんですが、最初に映像化された1957年に井野(名前は秋子)岡田茉莉子さんが犯人を演じました。
このとき目撃者で確か殺害された石岡を演じたのが大木さん。
原作では殺害されていなかったので意外でした。
その大木実さんは1963年に井野役を演じてます。そっちは未視聴。
しかし、1958年(垂水悟郎、内藤武敏)、1959年(三橋達也)、1960年版(天本英世)、1962年(南原宏治)、1963年版(大木実)1966年版(山﨑努)、1978年版(大空真弓)、1978年版(倍賞千恵子)、1982年版(烏丸せつこ)、1999年版(戸田菜穂)、2009年版(谷原章介)2013年版(松雪泰子)
どんだけ映像化されてんねん!

女性主演、男性主演色々ですが、女性主演の場合は、だいたい岡田茉莉子さん主演作の脚本と原作の脚本のハイブリッドというか。
ワタシが視聴したのは、岡田茉莉子さん、戸田菜穂さん、谷原章介さん、松雪泰子さん
戸田菜穂さんのは・・・うろ覚えです。
岡田さんの主演作品は原作を読んでから視聴したので、ツッコミどころがたくさんあるなぁと思ったものの、岡田さん、めっちゃ美しかったです。
笠智衆さんが刑事さんでした。

谷原章介さん主演は原作に近かったですね。
そして記憶に新しい。
松雪泰子さんも記憶に新しい。
それでも10年前か~。

で・・・「ガラスの城」よりこっちのが心配でした。
ゴクミって・・・美しく綺麗なまま女優としては中途半端なまま引退状態だった記憶。
特に演技が上手だった記憶もなく。
オスカー美女軍団が主演ってのも心配なところです。
覆面で活動する人気アーティストってのもねぇ。
現代だからか?
松雪泰子さんは、谷原章介さんは昭和20~30年あたりのお話でしたしね。
覆面アーティストなら現代にマッチすると思ったんでしょうか。

原作もちょっと笑える部分があったと記憶しておりまして。
主人公もちょっと浅はかなんですけど。
今日の主人公はバカすぎないか。
綺麗なだけの主人公。
歌の才能はあったって設定?

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まず・・・なんでマスクにサングラスして山に入ったのに逃げるときだけ顔をさらすんだよ!!
「顔」だから顔をさらさないといけないんだけど、登山にきて帽子、サングラス、マスクしていたらめっちゃ目立つしさ。
入山するのに名前も偽名。
でも森尾は本名。
なんだそれ?入山記録の描写いらんし。

事件後、すぐに刑事の上川さんが被害者の所属事務所に聞き込みにやって来る。
同じ事務所に所属している加害者・武井咲にも話を聞く。
しかも「とても美人」と感想つき。
んでもって事務所社長の陣内孝則は被害者と武井咲が付き合っていたと思っていたのに隠す。

今回は「武井咲と後藤久美子のW主演!」って煽りだから、後藤久美子の背景も必要。
これで長くなったのよね。多分。
後藤久美子は娘が登校拒否で悩んでいる。
しかもイジメ動画をネタにいじめられているのに恐喝までされてしまう。
同じ高校生に見えない恐喝男。
娘をいじめてお金騙し取った恐喝男は通報せずに金を支払い。
武井咲のことは通報するんですね。
どこが正義の人なんだよ。
しかもこの弁護士も緒形直人に睡眠薬飲ましたり、ゴミ集積所に放置したりして犯罪行為を働いたというのに。

んで、こう言っちゃなんだが、娘役の吉柳咲良ちゃんが、主演二人よりずっとお芝居が上手いっていう。
あんなに頑張って芝居してるのに、ゴクミがあれじゃ・・・気の毒じゃないか。
本読みしているみたいだったぞ。
緒形直人だって「優駿~ORACION~」の時は表情もアレだったけど、めっちゃ嫌な役が得意じゃん。

↑アイドル斉藤由貴。緒形直人は緒形拳と親子共演していたなぁ。

最近わりと悪い役やってるじゃん。
やっぱり続けるって大切なのよ。
女優としての実績もないまま演技を離れて、30年近くたって帰ってきて、またポジションを貰えるってすごいな。
でも同世代のワタシくらいまでだぞ、ゴクミ語録を知ってるの(苦笑)
このお芝居を見て・・・復帰するとしてももう主演はないでしょ?
オスカーならやりよるか~。

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で、恐喝男はなぜかすぐに逮捕されて。
そんな描写もいらんし。
そもそもそんな恐喝男子高生より、この設定なら陣内孝則あたりが武井咲を恐喝してもよさそうなもんなのに。
てっきりそれもあっても陣内孝則キャスティングかと思っていたら、特別出演だった。
ま、昨今、特別出演でも犯人になったりするけどさ。

上川さんの癖のある刑事も都合良く最初と最後だけご出演。
時代背景を昭和から令和に設定を変更したのだから、ここまで身近な人間に聞き込みをしてスルーってことある?
二人が付き合った痕跡もないってのが、考えにくい。
あの動画で武井咲を自分に縛りつけたかった被害者がスマホ以外に動画を残しておかなかった理由がない。
ワタシでも写真や動画はcloudに同期してるのに。
そう。このcloudに同期があれば、痴情のもつれの事件はほぼほぼ解決するんじゃないかと思っている。
スマホだけ持ち出して大丈夫?
この時点で、覚えているかいないかの目撃者より、科学捜査のほうが重要になってくるのよね。
徹底的にガサ入れして、スマホやパソコンタブレッド。
被害者のアカウントを解析したほうが早道。
迷宮入りなんてしないんじゃないかっていう・・・。
最後には「社長が何か隠していたな!」ってことでもう一度聞き込みして、事件解決へ・・・。
警察の怠慢だw

この原作はとても評価されているのでここまで映像化されているんだと思うが、ここまでめちゃくちゃにするかね。
松本清張の版権事務所ってないのかね?

「武井咲が松本清張作品で再び《悪女》に!」
って今回の武井咲の役は《悪女》じゃないでしょ?

現代版にアップデートした名作の中で、美しき2人の女優が火花を散らす…!
いやいやアップデートっていっちゃう?
どの口が言っちゃう?自画自賛?
松本清張に謝罪しろ!
って毎回書いている気がする(爆)

今日はバカリズムのドラマも超気になっていたんだけど。
やっぱり2サス民だからこちらを優先にしたけど、やっぱり予想通り。
予想の斜め下でした。

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キャスト
井野聖良(武井咲)
石岡弓子(後藤久美子)
進藤薫(上川隆也)
大西彰(陣内孝則)
岩城昌義(緒形直人)
高木信介(平岡祐太)
石岡紗由美(吉柳咲良)
伊藤左希(川瀬莉子)
森尾亘(前田拳太郎/劇団EXILE)
和田友彦(駒木根葵汰)

コメント

  1. saki より:

    あけましておめでとうございます。
    本年もよろしくお願いいたします。

    ようやく見始めましたが、絶対何回か見てると思い調べたら、あの話ですね。
    ゴクミ語録覚えてますよ(笑)
    女優としての実績って、お人形さんみたいな大河と「ママはアイドル」くらいの記憶。
    かつての絶世の美少女も、年月とともにそうなるかーと、ちょっと切なかった。

    ま、まだ見てないんですが、
    そして私もこちらで何度も書いてますが(笑)科捜研や監視カメラがある令和で松本清張先生原作はきつすぎる!
    やはり無理があるのでは?
    原作では、出たくないけど運命のいたずらとひょんな隙で、デビューしていた記憶だけど、武井さんはすすんで出てってるからなー(笑)

    ま、楽しんで観ます。

    相棒も観ましたが、毎年恒例の続くではないんですかねー、
    なんかもやもや。被災地の方には申し訳ないのですが…

    • tarotaro tarotaro より:

      sakiさん、コメントありがとうございます。
      本年もどうぞ宜しくお願いします~(_ _)

      そうそう!ワタシも「ママはアイドル」くらいの記憶しかありません。
      あ、仲村トオルとの映画も見たような気がしますけど、当時のトオルもそこまで演技派ではなかったので(苦笑)
      やっぱり続けるって大事ですよね~。
      これだけ映像化されている作品をまた映像化するオスカー・・・。
      成功したためしがないのに、比べられにいってるのはなぜ?って思います。
      翌日の「ガラスの城」のほうが映像化も少なくて、また現代に置き換えやすいと思いました。
      でも見ちゃってるから、オスカーの炎上ツッコまれ作戦に便乗した形となりましw

      「相棒」の元旦SP
      もう次回に続くはやめて欲しいですよね。
      元旦Spだけで何話も続いて、ちゃんと解決せずに翌シーズンまでひっぱったSeasonもありましたね・・・。

  2. なお より:

    録画見終わりました。

    いくつかの「顔」ドラマ見てると思うのですが、松雪さんのが印象的でした。そんな感じなのかと思って見たところ全くの別物で‥
    ゴクミさん色々言われてましたが
    おそらく昔と変わってない演技なのかな?
    あまり女優さんのイメージないですが(((^_^;)

    • tarotaro tarotaro より:

      なおさん、コメントありがとうございます

      松雪さんの「顔」は印象的でしたね。
      坂口憲二がクソみたいな男でしたw
      職業と時代が変わると全然違う作品。
      ゴクミは・・・演技派では決してなかったですもんね。
      「国民的美少女コンテスト」が長く続いているというだけの・・・イメージですねw