松本清張『点と線』ネタバレ感想~もう二度と映像化はできない作品

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有名すぎるあらすじなので適当にサクッとw

福岡で発見された男女の遺体は心中事件として捜査された。
同じころ、東京では産業建設省での汚職を追っていた。
この汚職事件の鍵を握るのが福岡で遺体として発見された男・佐山(大浦龍宇一)。
鳥飼(ビートたけし)と三原(高橋克典)がコンビを組んで事件を解決する。
心中した女・お時(原沙智絵)と佐原に接点が見つからない。
心中を疑う鳥飼。

お時の女中仲間は、東京駅のホームで男と歩いていたと証言。
女中達のいたのは13番線のホーム。
心中したとされる二人がいたのは15番線ホーム。
女中が二人を見るには営業時間のうちたった4分間しかない。
これは作られた「瞬撃」だったのではないか?

汚職の事件の本丸は首相候補である産業建設大臣(江守徹)
女中を13番ホームに導いたのは安田(柳葉敏郎)
その戦友・安田が女中たちを13番線ホームに導き、男女を目撃させていた。
安田は死んだ男とも女ともつながりがあった。
女と安田は愛人関係にあり、女は安田の言う通りに動いただけだった。
しかし安田には鉄壁のアリバイがあった。
・・・・・とはいえ、当時としては珍しかった飛行機を利用してたというアリバイトリック。.

飛行機を使えば、当時でも福岡~東京~北海道を異動できた。
鳥飼は安田を追い詰めたが、鳥飼は博多に帰る。
安田と本庁の人間は証拠を固め安田の家に乗り込むが、二人は心中してしまった。
そしてすべての事件は闇に。
男女の死も、代議士の収汚職もすべて解明されることはなかった。



3回目のゴールデンでの放送(BSでは何度か再放送していたと思われます)。
さすがに3回目となると前後編ではなく、一夜にまとめてしまいました。
確かに原作も松本清張作品としてはシンプル。
なので2夜連続となると、原作にはない主人公の戦争体験の話が出てきたり、娘が出てきたり・・・と人間ドラマ的な要素が入ってました。

2007年の作品。
当時、まだお金があったんですね。
東京駅のホームや、福岡・東京の町並みを細部まで再現したオープンセット。
昭和30年代の列車を再現してのロケーション。
東京駅のプラットフォームのセットは、JR西日本の協力のもとに宮原総合運転所の敷地内に作られたそうで・・・。
コレを再現するとなると・・・・・ってことで、最近の松本清張作品は全て現代に置き換えてしまうんでしょうか。
特に「点と線」は現代に置き換えると、4分間のトリックもアリバイの飛行機利用も使えない。
現代だと刑事が飛行機のアリバイを真っ先に調べるでしょうし。

キャストも豪華でした。
初回放送を見たときに、ビートたけしありきで進んだ企画なんだろうと思いました。
役者たけしで最初に好評を得たのが「昭和四十六年 大久保清の犯罪」あたりなんでしょうか。
それ以降、「金の戦争 ライフル魔殺人事件(1991年、フジテレビ)「説得 エホバの証人と輸血拒否事件」などの実録犯罪ドラマの主演も多く、松本清張作品では、「鬼畜」(2002年日テレ)、「張込み」(2002年テレ朝)、「点と線」、「黒い福音~国際線スチュワーデス殺人事件」(2014年)と続く。
2002年に2作品も出演している。
「鬼畜」は・・・ちょっとアレだったかなぁと(苦笑)
だけど、「張込み」は楽しく見たなぁ。
役者たけしはどういうわけかコメディより寡黙な役が似合う。
事故ってからはなおさら顔の表情が掴みにくいと言うのもあるからでしょうか。
「張込み」でコンビを組んでいた刑事が緒形直人だったのですが、ワタシは緒形直人のほうが役者たけしと相性が良かったんじゃないかと思いました。
当時の高橋克典はまだスタイリッシュなイメージがあり、たけしとコンビを組むには都会的過ぎるなぁと思ったもんです。
あと・・・安田役の柳葉敏郎もちょっと違うんだなぁ・・・と。
柳葉敏郎って明るくて人の良さそうな役を演じてきた(ご本人がどうかは知りませんが・・・)癖というか片鱗というか・・・そういうのが出てきちゃって、安田ではない。
のらりくらりと警察の追求を交わすのもちょっと軽い感じに見えた。




一方、安田の妻・夏川結衣さんはとても良かった。
今もお美しいですが、このときは超・超・超美しい時代だったのではないでしょうか。
病気で静養していることの後ろめたさ。
誠実な安田への愛情。

原作にはない鳥飼と安田の妻の直接対決。
自分の妻がガンで亡くなった話をしたり・・・で”ウィスキーに毒を仕込んだんでしょう”と言う想像を話す亮子。
実際に遺体のそばに落ちていたのはジュースだ。←なんでジュースの瓶にしたのか謎
この時の夏川さんの表情が良かった。
だからこそ夫はギバちゃんじゃないよなぁ。

原作にないシーンでいえば、鳥飼と三原は殴り合いの喧嘩などはしない。
あそこはアウトレイジっぽい(苦笑)
カットするかと思いきや、カットしないので驚いたw

そして12年はそこそこ長いんですな。
・・鬼籍に入った俳優さんが多いのは寂しいことです・・・・。
松本清張作品の結末はハッピーなわけがない。
モヤモヤしちゃう。
その上に、あの人もあの人も・・・もういないと思うと、寂しさがマックス。

なんだかいろんなことを思ったドラマです。
「点と線」の映像化はもう二度とないでしょうね・・・。

久しぶりに2時間ドラマの感想を書きましたが・・・。
やっぱりワタシ、2時間ドラマが好きだ!!
「土曜ワイド劇場」の復活を願っています。

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キャスト
鳥飼重太郎・・ビートたけし
田中係長・・・小林稔侍
三原紀一・・・高橋克典→宇津井健(特別出演)
小林安子・・・樹木希林
鳥飼つや子・・内山理名→池内淳子(特別出演)
桑山秀子
(お時)・・・原沙知絵、
石田芳男・・・竹中直人
笠井係長・・・橋爪功、
ある家の女・・かたせ梨乃、
長谷川医師・・坂口良子
原種臣・・・・江守徹
桑山ハツ・・・市原悦子、
安田辰郎・・・柳葉敏郎
安田亮子・・・夏川結衣

コメント

  1. saki より:

    樹木希林さんがご出演とのことで、再放送だと思い録画せず。
    以前こちらに書き込みしましたが、
    うちの父はこの4分が本当なのか、東京駅まで行ったそうです(笑)

    清張作品はもう限界ですよね。
    タイムスリップして作らないと、
    リメイクしても「防犯カメラあるでしょ」で台無し。

    そしてそして、私もやっぱり2サスペンスが好きです(涙)

    全く頼まれてないですが、勝手に近況。

    夏ドラ、結局マリコとルパンのみ。
    ベビーシッターは脱落気味で、ヲタのは30分だからなんとか見てます。
    反町ドラマではいい人のあげくあっさり死んだ、笠原さんが本来のクズ役として大活躍です(笑)

    ルパン、
    地下鉄の吊り広告で娘が興味を持ち、
    神戸くんとたかちゃんでてるよーといったところ、ドハマり。
    全部消しちゃったんですが
    残ってた先週分をもう5回も見てます。

    マリコはブラック企業っぷりが(笑)
    保津川下り観光は、あんな感じで楽しめるんですねー。

    京都といえば、先日CS無料dayで京都地検船越編を観ました。

    名取さんは今レギュラーもないし、
    お元気ならキャスト入れ換えてまたやってほしいな~。

    またお邪魔します‼️

    • tarotaro tarotaro より:

      sakiさん、おはようございます。
      コメントありがとうございます。

      2007年の再放送でした。
      しかし東京駅のオープンセット。
      各地で走らせた古い列車。
      お金がかかってました。
      開局50周年記念にはめっちゃお金をかけていたんですねぇ。
      録画をしていたんですが、消すのが勿体ないくらいのセットでした。
      ほんの12年前って思うのに、ドラマにかける制作費って削られていくんですねぇ(苦笑)

      sakiさんのお父様が東京駅まで行く気持ち、わかりますw
      時刻表トリック、試してみたくなりますよねぇ。
      しかも西村京太郎さんのトリックより手が込んでいないし、見るだけですもんね~。
      西村さんのトリックは到底できないことが多いらしいので(爆)

      ヲタ・・・好評ですよねぇ。
      でもワタシにはなぜかキツくて(苦笑)
      主演の女優さん・・・すっごい演技力だと思うのですが、あまり好みのタイプではないんです(苦笑)
      ホントに凄い演技力だってのは知っているんですけどw

      ルパン、娘さんにご好評のようですねw
      あの小沢真珠さんのお色気はワタシたちの世代でいうドロンジョみたいなもんなんでしょうか。

      保津川下りも楽しそうでしたが、ワタシとしては祇園祭りが見たかった!
      あれはドラマの撮影は無理なんでしょうけど、ちょっと入れ込みながらできなかったのかなぁ。
      それこそお金の問題なんですかね・・・、

      2時間ドラマはBSの再放送しか見られないですよね~。
      名取さんは法医学教室がたまにあるだけだし、なぎさの2時間ドラマなんて全然見ないし・・・。
      寂しいです。