「空白を満たしなさい」 最終話 ネタバレ 感想~2度目の別れは辛い

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平野啓一郎

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徹生(柄本佑)は残された時間が少ないと悟り、息子・璃久(斉藤拓弥)にメッセージを動画で残すことにした。
涙ながらに妻・千佳(鈴木杏)との出会いから話す。
そして自殺の原因も残し、USBを缶に入れて保存することにした
璃久が理解出来る時がきたら、
「自分で缶を開けて、『空白を満たしなさい』」と伝えて欲しい。

徹生は木下(藤森慎吾)に復生者しか思いつかないアイディアを話す。
死んだ時、その人の存在がなくあんってしまうのが寂しい。
残された人は自分のことを考えてくれていた。
人は死んでも何かが この世界に残るんだと思う
記憶だけではなく、メディアに残される写真や動画、手紙。
そういうものって死ぬとバラバラになる。
だから保存できる場所があれば、亡くなった人とネット上で会える。
亡くなった人を通じて交流できれば少しは悲しみが和らぐ。
「思い出の詰め合わせですか。
さすが元缶詰屋さん。
やりましょうよ。
我々復生者にしか思いつかないことですよ!これ。」
後日、そのサービスの報酬を決めようと木下。
いついなくなるかわからないから、妻か息子の口座にいれるよと話している最中に、目の前から木下が消えた。
自分の死期が迫っていることに焦る徹生。

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千佳と璃久を連れて、千佳の実家に行くことに決めた。
千佳は母とわだかまりがあった。

徹生は復生したのに会いに来なかったことを詫びる。
幸せにすると言ったのに死んでしまった…。
「悪いのはこの娘です」
千佳の母は徹生こそ気の毒だと言う。
こんな娘と結婚して不幸だ。
自殺したのも娘のせいだ!
「違うんすよ、お義母さん
千佳のせいじゃないんですよ。
千佳は善人です。
良い人間なんです。
僕が人生で出会った中でも、一番良い人間でした。
僕は彼女と結婚できて幸せでした
惚れ込んでいるんです。
僕は千佳にただ感謝しかないんです。
お義父さんとお義母さんが千佳を産んで育ててくれたことに感謝しています。
千佳は本当に良い人間で最高の母親で最高の妻です。
僕は彼女に会えたことが人生の中で一番幸福なことだと思っています。
僕は幸福でした。
ありがとうございます」
頭を下げる徹生。
涙が止まらない千佳

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その夜、家族三人でじゃれて眠る…
夜中、眠れない徹生に話しかける千佳
「死にたくないよ…。
怖い…。
何で自殺なんかしたんだろう…。
あの一瞬さえ なかったことにできたら!」
号泣する徹生を抱きしめる千佳

翌日、徹生は母・恵子(風吹ジュン)と千佳、璃久とピクニックへ。
「りっくんは気持ちの優しい子だね」
千佳と璃久が遊んでいる様子をみて、母が徹生に話しかける
「俺を生んでくれてありがとう」
「私が死ぬときにもっぺん、枕元で言ってちょうだい」

徹生は佐伯(阿部サダヲ)に手紙を出していた。
「人は誰でも心の奥に暗いものを持っています。
それとどう向き合っていったらいいのか
あなたと別れたあといつも考えていました。
僕は死ぬ前はずっと、いつも笑顔の絶えない妻の明るさを好きになったんだと思い込んでいました。
でも本当は そうじゃなかった。
たとえ、心の奥底に暗いものを抱えていても、それでも前向きに明るく生きようとしていた彼女に僕は惹かれてたんです。
僕たちは いつも明るかった。
でも、一緒にいるべきだって感じたのは、二人とも孤独だったからだと思うんです。
妻の心の奥にも僕の中と同じように、何か暗いものがあります。
あなたも同じですよね。
でも僕は その暗いものを消そうとするんじゃなくて、見守っていこうと思うんです。
僕の命の許す限り。
きっと、そのことを理解するために僕は復生したんです」。

千佳とりくが遊んでいる
「璃久!」
徹生に向かって駆け出す
りくに向井両手をだす徹生
抱きしめるまで寸前で…THE END

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2回もいなくなられたら…辛いわなぁ。
いや、いなくなるほうも辛いとは思うけど、残されたほうはたまったもんじゃない。
だから、最後は…徹生が消えて、りっくんが転んじゃうような最後じゃなくて良かったよ。
木下の消え方が怖かったからね。
喋っている途中で消えて亡くなる。
屍もない。
いや、そりゃ一回死んだ時に骨も焼いているだろうけど。

帰ってくるのも突然で、いなくなるのも突然。
そうか。
そうなんだって思っても怖いよね。
突然死なんて、誰にでもあり得る事かも知れないけど、生き返ってまた死ぬなんて…想像もできないもんね。

千佳はメンタルも不安定なのに。
徹生がとりなしてくれたとはいえ、あの母子関係はいびつ。
木野花さんは怖い。
いや、コメディは楽しい人だけど、怖い役は怖い←当たり前か
眉毛がピクリと動いただけで、杏ちゃんがめっちゃビビって。
こんな母に育てられたのに、杏ちゃんは良いお母さんだ。
そして真っ直ぐで強い…と思いたい。
もし徹生が消えていたとしても…。

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阿部サダヲ復生者ではないから、傷が癒えたらまた元気になるはず。
徹生からの手紙をどう思うのか。
まさか、手紙を読んで終わりだとは思っていなかったんで(苦笑)
でもあのピカソの部屋で、生きて行くしかない。
死ねないなら生きるしかない。
時々息抜きして、無理せずに生きるしかない。
誰も彼もがいつも前向きで明るく生きているわけではない。
平々凡々な毎日なのか、どうなのか、他の人を生きたことがないんでわからないけど、死ぬまで生きるしかないと思うか、生きたい!と思うか。
死生観なんて日々変わって良いんじゃないかね。
まずは死なない。
生きろ!って、ジブリのキャッチコピーみたいだな。
なんだかんだで毎日、生きるとか死ぬとか考えずに過ぎて行くから、それで良いのかな。

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キャスト
土屋徹生(柄本佑)
土屋千佳(鈴木杏)
佐伯(阿部サダヲ)
秋吉(萩原聖人)
安西(渡辺いっけい)
権田(うじきつよし)
木下(藤森慎吾)
ラデック(ブレーク・クロフォード)
秋吉多加子(田村たがめ)
土屋璃久(斉藤拓弥)
土屋恵子(風吹ジュン)

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