「十万分の一の偶然」ネタバレ感想~ギリギリ許容範囲内の改変

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松本清張生誕110周年記念

松本清張『十万分の一の偶然』

あらすじはコチラ→公式サイト

”激突”の事故を起こした犯人はカメラマン山鹿(高嶋政伸)。
被害者・米津を殺害した犯人も高嶋政伸。
共犯に看護師の布川(内山理名)。

高嶋政伸は玉突き事故を演出した。
ストロボをラジコンヘリに搭載し、トラックのETCカードが読み込まれるとストロボが自動的にたかれる。
野原に残されたミステリーサークルはラジコンヘリの着陸跡だったのだ。
最初から事故が起こることがわかっていた高嶋政伸はカメラを三脚で固定して”その時”を待っていた。

「私は明子の父です」
急に命乞いをする高嶋政伸。
内山理名に手引きされ医師に変装し米津を殺害した。
するとまたまた急に豹変する高嶋政伸、。
「ああ、俺がやったんだよ!!あんたの娘も米津もな!!
チャンスは待つものではなく、作る物!!」

と叫ぶ高嶋政伸。
「君は古家(伊東四朗)の手の内に居るに過ぎない。」
伊東四朗は高嶋政伸から金を受け取り、賞をくれてやった。
田村正和様に襲いかかる高嶋政伸。
警察が介入。
田村正和様は高嶋政伸の自白を全てビデオカメラに録画していた。
高嶋政伸が事故演出したと同じように田村正和様も自白を演出していた。
「これは十万分の一の偶然じゃない。お前が罪を認めた必然だ!!」

高橋政伸は逮捕。
数日後、伊東四朗も逮捕された。
娘・明子(中谷美紀)のメッセージテープには、父に感謝する姿が残されていた。




田村正和様は松本清張作品に数多く出演しております。
もう事実上の引退かと思われますが・・・懐かしいですね。
CMでもよく拝見していた田村正和様・・・もう見ないのは寂しいんだなぁ。
このドラマでもこんな格好良い父ちゃんいないよねぇ。
原作とは設定が違う。
主人公を田村正和様にするためには父娘設定にするしかなかった。
その結果、美しい父娘を見ることができたw

この作品も当時リアタイで見ておりました。
ワタシ、連続ドラマはあまり見ていない時代がありましたが、2時間ドラマはほとんど見ていたんだなぁ。

ラスト、ちょっとバタバタしましたよねぇ。
高嶋政伸の往生際の悪さ。
でも今の高嶋政伸を見ていると、アレも”味”かなw
当時はそこまで悪役が多くなかった高嶋政伸。
なので当時はペラペラ悪迅をしゃべり倒し、命乞いしてからのナイフ振り回しに違和感があったのですが、今回見てみると高嶋政伸だからそれで良いと思う(苦笑)
伊東四朗はもっとイージーな逮捕劇。
なんで伊東四朗は強気だったのか?高嶋政伸が自供したら終わりなのに。

内山理名も高嶋政伸の婚約を知りながら、犯行に協力し続けていたのもなんだか都合が良かったわ~。
一生日陰の身で過ごすのか?
しかし米津が意識を取り戻したと小泉孝太郎が田村正和様に電話をしている背後に、内山理名と医者(高嶋政伸)が通り過ぎる場面なんて、細かいなぁと感心しました。

そうそう。
中谷美紀さんの少女期を久保田紗友ちゃんが演じていたわ~。
昔から美少女だ!
こういうのって再放送の醍醐味ねぇ。
だけど・・・CGが酷いのも昔のドラマを見ているって思っちゃうw
ま、CGは予算次第だけど、キャスティングが豪華なだけに、ここはもうちょっとどないかならんかったのかw





トリックも原作そのままではなく、現代に合わせ変えていた。
作品発表当時はETCカードなんぞ存在するわけではないのでね。
今ならドローンでも使っちゃう?
原作が改悪されることの多い松本清張作品の映像化。
特に時代設定を現代に変えてしまうと大コケしてしまうのだ。
そう思うと、このドラマのトリックはなかなかよく出来ていた。
良く出来ていたというか・・・改悪が多すぎる映像化作品が続くからそう思うだけかも?

当時も「原作と全然違うがな!」と思って見ておりました。
今、松本清張作品を読んで、純粋にミステリーやトリックを楽しむことができるかどうかは別として、興味のある方は読んでみてください。
ホント、違うからw

スクープ重視の報道への警鐘。
「紫雲丸事故」の報道を見て、スクープ報道の過熱を取り上げた松本清張はやはり社会派と呼ばれる作家であったと思います。
しかしその後、スクープ重視である報道は変わらず。
その是非を問われることは少ない。
今では何か事故や事件が起こるたび、報道記者ではなくともカメラを向ける。
モラルって何かね?



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キャスト
山内正平・・・・田村 正和
山内明子・・・・中谷 美紀
山鹿恭一・・・・高嶋 政伸
布川麻奈美・・・内山 理名
塚本暁・・・・・小泉孝太郎
山内恵子・・・・岸本加世子(友情出演)
越坂奈月・・・・若村麻由美
小泉恵美子・・・松下 由樹
岩瀬厚一郎・・・内藤 剛志
古家庫之助・・・伊東 四朗
ほか

ナレーション・・石坂浩二

コメント

  1. masa より:

    こんばんは~。
    僕はこの作品の原作を知らなくて、あらすじだけ読んで面白そうなので楽しみにしていました。
    つまらなくはなかったけど、ごく普通の2時間サスペンスという感じでしたね。
    真犯人やトリックにも、これといったどんでん返しは無し。

    まあそれにしても、内藤さんは土門さんにしか見えないし、小泉くんと松下由樹さんの組み合わせは警視庁ゼロ係がチラつくし。
    視聴者の目が肥えすぎてしまうのも困ったものですw

    • tarotaro tarotaro より:

      masaさん、こんばんは。
      コメントありがとうございます。

      テレ朝なキャスティングでしたね。
      まぁ、何年も前の作品をゴールデンにぶちこむテレ朝の根性は凄いと思っておりますw
      トリックや真犯人。
      もはやそれを楽しむ作品なのかどうかが疑問です。
      田村正和様がいる、それだけで良いのではないでしょうか。←すっごいファンではないですが存在感はさすがだと思います。

  2. なお より:

    こんばんは。これその当時も勿論見ていました(^_^;)
    スカパーでこの前高橋恵子と泉谷しげる版を見ました。そしてこの前まで古畑任三郎の再放送を見たばっかりです。

    今では事実上引退になってしまった正和さん、淋しいです。
    この当時でも既にセリフ言うのもつらそうな感じだったんですね。

    小泉孝太郎もまだ若々しく、とらみ先輩も少し痩せてたかな?

    • tarotaro tarotaro より:

      なおさん、おはようございます。
      コメントありがとうございます。

      火曜サスペンス枠でやってましたね。
      関根恵子・・・時代ですかね?

      田村正和さん、どんどんどんどん聞き取りづらくなりましたね。
      生涯現役ってのも格好良いですが、スパッと引退されるのも格好良いですね。

      小泉孝太郎、格好良かったです。
      若村さんも寅三先輩も。
      今から考えると薄味の高嶋政伸もw