「沈黙のアリバイ」 ネタバレ感想~ワタシのトオルは笑わない男

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横山秀夫サスペンス


横山秀夫「第三の時効/沈黙のアリバイ」

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朽木(仲村トオル)は無罪主張をした湯本直也(忍成修吾)が退廷するとき、うすら笑いをしていたのを見逃さなかった
湯本から自白を引き出した島津(音尾琢真)。
当初は別件逮捕。
なかなか口を割らない湯本。
拘留期限ギリギリで強盗の再逮捕。
そして自白を引き出した。

湯本の共犯者である大熊(脇知弘)は前科だらけ。
湯本は心理学科を勉強していたがそれを犯罪に使った湯本は強姦で7年の実刑を受けていた。
法廷で無罪を主張したが判事の心証が悪く実刑7年。
心理学科を中退した湯本は、ここで学んだ。
裁判は心証が全てだと!

湯本はアリバイは事件当日、大熊の愛人ジョナリンと一緒にいたという。
警察は信用出来ないので取調では言わなかった。
警察に捕まるよりも大熊にジョナリンとの関係がバレるのが怖くて内緒にしていた。

朽木は取調の動画を見る。
「私でいいんです。
頭が割れそうに痛いんです。
許してくれればそれで良いです。」
と自供する湯本。
これは自白の強要と思われても仕方ない。
ほぼ島津に自供を強要したと思われても仕方ない動画。
しかし一部分。
犯行に使った車を処分し、大熊が逃げる場面だけは見取り図を書いて供述していた。
大熊は
”はねた男がまだ生きているかもしれない
警察にたどりつく恐れがある。
しばらく身を隠すと言って自分の車に金を積み込んだ
血のついた目出し帽とナイフも処分する。
大熊に盗んだワゴンを目立たない場所に捨てろと指示された。
大熊は途中で証拠品を隠滅し、金はどこかに埋める。
はねた男が死んだかどうかはニュースでわかるので、生きていたらしばらくは連絡を断つ”といって自分の車ででていった。

島津は辞表を提出した。
このままだと逃げたことになる。
島津の自宅に向かう朽木。



35日目
湯本がやっと自白した
37日目
記録用のビデオカメラを止めた島津。
薄ら笑いを浮かべた湯本。
「これでアンタも終わりだな。」
「どういう意味だ。」
うすら笑いを続ける湯本。
意味がわからなかった。
次の日もその次の日も二人きりになると湯本にそう言われ続けた島津。

40日目
頭を下げて
「終わるとはどういう意味だ。
頼む教えてくれ。」
「実は俺には自分にはアリバイがあるんだ。
完璧なアリバイだよ。
今は言えない。
嘘だと思うならそれで良いじゃないか。」

嘘だと思いながら、湯本を落とした実感がなかった。
拘留期限まであと2日。
もうやり直しができない。
取調官として無能だと思われるのが怖くて、誰にも報告しなかった。
拘留期限の前日、湯本はアリバイのことを上司に報告していないことを知り、島津を脅迫する。
「これでアンタも共犯だな。」
上司に報告しようか?
そんな湯本を必死で止める島津。←形勢逆転。取調べで落とされたのは犯人ではなく刑事だった。
湯本は自分の蟹の毛を一本抜き、ジョナリンの部屋に置いて来いと命令された。
しかし島津は置いていないと言う。
「お前が辞めるのは勝手だ!
裁判が終わってからにしろ。」



湯本の弁護士斉藤(東根作寿英)は湯本の兄に借金があった。
罪を勝ち取れば借金は棒引きにして貰えるらしい。
行方不明のジョナリンを証人として尋問するのは無理だとはんだん。
ジョナリン宅の家宅捜索をする事になった。

「無意味なアリバイなんてない。」
もう一度湯本の供述動画を見直す朽木。
湯本は盗難車を翌日洗車場に持って行った。
なぜ翌日なんだ。
すぐ処分しなかったのに意味があるのではないか。

ジョナリンの部屋から湯本の体毛が検出された。
立ち会っていた湯本が部屋から出たそこにやってきた朽木。
「島津に頼んだことを弁護士に頼んだんだな?」
ジョナリンの部屋に湯本の体毛を仕込んだのは斉藤弁護士。
体毛が見つかっても事件当日のアリバイにはならない。
最初から湯本はアリバイを証明する気なんてなかった。
「お前の本当の狙いは判事の心証を有利にすることだ」
つかみ所のないアリバイは否定も肯定もされない。
「すぐに盗難車を捨てに行かなかったのは、捨てに行けなかったんだ!
お前は大熊の車を運転いていた。
大熊とジョナリンを乗せて。」
島津をうまくはめたつもりだが、湯本が詳細に語った部分は大熊と別行動を取ったと印象づけたかっただけだった。
裁判長に脅しだと訴える湯本。
「裁判長に教えてやれよ!
あと二人殺してるってな!!」
事件当日、湯本は別荘があると七つ沼に二人を乗せ連れて行った。
島津の出身地七つ沼。
そこから大熊の車が見つかった。
大熊とジョナリンの遺体とともに。
大熊と殺せばもうパシリにはされない。
気の毒なジョナリン。
ジョナリンの沈黙は自分のアリバイを証明してくれる。
「お前はもう二度と笑うことはない!」
島津は刑事を退職しないという選択もあったが、辞めた。
刑事に飽きていたのかもしれないと・・・。



笑わない朽木の背景は、前作(TBS版・渡辺謙主演)とはちょっと違いました。
これが・・・原作を覚えていないもんで、今回の原作にあったのか・・覚えていないのですが。
15年前の部下の運転する車で現場に向かった。
そこに少年が跳びだしてきた。
急ブレーキをかけるが、少年は死亡。
運転手も死亡。
少年の葬式。
「笑わないで下さい。」
亡くなった少年は耳が聞こえなかった。
未婚の若い母は耳が聞こえない子供が飛び出すことをわかっていたのではないか?
刑事の目で朽木は母を見た。
母の手は少年を招いているように見えた。
5日後、母親が自殺した
「ごめんなさい」
と書かれた遺書らしきものがあった。
疑念のこもった刑事の目で母親を見た。
”産まなければ良かった。”
思いもしなかった感情を探し当ててしまった。
でもそれも刑事である自分が若い母親に押しつけてしまった感情なのかもしれない。ってことで・・・。
コレ・・・なんでこういうふうにしたんだろうか。
ここまで肉付けしなくても、もっと事件に集中したかったなぁ。
斉藤弁護士との攻防戦も見たかったよ。
あいつ、悪い奴やで(爆)



だから・・・最後が法廷でなかったのはちょっと残念かな。
ラストは法廷が良かったな。
もっともっと湯本が腹立つくらいにニヤニヤして欲しかったわ(爆)
もっともっと憎たらしくて良いくらい!

島津役の音尾さんと・・・ってか仲村トオルが若すぎるので音尾さんと同期くらいに見えるじゃん。
前作だと犯人に脅される大浦龍宇一、渡辺謙に責められる大浦龍宇一が常に震えていたんだけど、今回は落ち着いて見えたもんねw

忍成修吾は犯人役ばかりだなぁ。
もう良い人の役が思い出せないw
今日なんて、飯田基祐 、内田朝陽 、尾上寛之 が刑事だぜ?
尾上くんなんて忍成くんに迫る勢いで犯人役ばかりやってんだけど、刑事だぜ!
そう思うと犯人専業ってなかなか難しいんだな。←専業にしているわけでもないだろう。

横山秀夫さんってだけで面白いのは確定なんですが、結末がわかっていてもやっぱりドキドキした。
すごい作品だと思う。
2時間で見せるのにも向いている。
比べちゃなんだが・・・「危険なビーナス」も2時間くらいで良かったんじゃないかな。

泥臭い男臭いドラマであった。
だけどやっぱり令和だから・・・ちょっとスタイリッシュになっているのかもw
もっともっと汗臭くても良いくらい。

来週は・・・主演が岸谷さんだからスタイリッシュではなく汗臭く感じるかもねw
仲村トオルを堪能できて満足です!





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キャスト
朽木泰正…仲村トオル
村瀬恭一…岸谷五朗
島津正人…音尾琢真
湯本直也…忍成修吾
田中誠二…飯田基祐
殿村勝…内田朝陽
森隆弘…尾上寛之
矢代勲…白石隼也
東出裕史…平山祐介
一谷秀幸…石井正則
斉藤…東根作寿英
尾関守…岩松了
田畑昭信…平田満

コメント

  1. なお より:

    こんばんは
    渡辺謙のやつ、何度も何度も見てます(^-^;
    このシリーズは何回見ても面白いし
    今回も面白かったです。(仲村トオルなので割増)
    内田朝陽も好きです笑っ
    忍成修吾は安定の犯人、犯人以外考えられません。
    尾上寛之は普通に刑事で終わりましたね。
    次はモノクロームですが、密室の抜け穴も見たいです。

    • tarotaro tarotaro より:

      なおさんコメントありがとうございます。

      「第三の時効」シリーズは今年だけでも2,3回再放送してません?
      渡辺謙はこのあと米国に行っちゃったので、朽木の役割は段田さんがやっていたような。
      原作とはちょっと変えてますよね。
      今回・・・取り調べのシーンが映像になっていたことは新鮮でした!
      しかし。。。テレ東、3時間連続ドラマって(苦笑)
      困ります。
      月9も見たいのにw