テン君、悲しいよ。

デニス・テン選手が亡くなりました。
25歳でした。

悲しい。
とても悲しい。

彼が有望な選手だと思ったのは、バンクーバーオリンピックでした。
この年、彼はジュニアとシニアの掛け持ちで。
当時、タラソワコーチについていたと思います。
ショートの「シング・シング・シング」がとても素敵で。
タラソワの振り付けをきちんと理解して滑っていたんだなぁと思っていました。

清廉潔白なスケーティングといいましょうか。
きっと真面目なスケーターなんだろうなと。
こりゃ伸びると思ったもんです。

着実に実力をつけた彼の表現力は個性的で、少し無骨で。
技術も表現もバランス良くできる選手。

ソチ五輪での銅メダル。
そして翌年の四大陸選手権で初優勝。
なんとステップシークエンスのGOEが満点。

一方で、世界選手権での曲かけのトラブル。
練習中に五輪ゴールドメダリストと衝突し、一方的に悪者にされるという不運。
怪我も多い選手でした。
ソチシーズンは怪我もあり、靴も合わずでスロースターターでした。
でも銅メダル！
平昌シーズンも本調子ではなく、きっとこのままでは終われないと言う思いがあったはず。
なのに、なぜこんなことに・・・。

カザフスタンのアイスショーはとても楽しそうで、衣装も可愛くて。
写真を見て、行ってみたいなぁと思っていました。
彼の人柄はスケーティングに出ていたなと思う。
何を書いていいやらわからんです。
けれど、ただただ悲しい。

どうしてこんな事件に巻き込まれたのか。
犯人は一人逮捕されたと言いますが、逮捕されようともテン君が戻ってくるわけではありません。
強盗に立ち向かうなと言っていたコメンテーターがいましたが、立ち向かったのかどうかさえわからない。
これは巻き込まれただけ。
誰にでも起こりうることだったのかもしれない。
なぜテン君だったのか。
ただただ、テン君の残してくれた演技を見ています。
カザフスタンは宝を失った。
テン君、安らかに・・・。
　　　
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