終りに見た街 ネタバレ感想~今は戦後なのか戦前なのか

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山田太一『終りに見た街』

小島敏夫(堤真一)は、田宮太一(大泉洋)の家を燃やそうと言う。
怒り心頭の太一。
しかし憲兵がやってきたらどう説明するのだ?
終戦まで生き延びなければいけない。
安全な場所に避難して、夜中に二人で燃やそう。
敏夫は避難場所を探すから家族を説得するようにと伝える。
もちろん、ひかり(吉田羊)や信子(當真あみ)、田宮稔(今泉雄土哉)は反対する
大事なものをカバンにつめるように言う太一。
言い合いになっているうちに、敏夫の息子・新也(奥智哉)が兵隊を連れてやってきた。
将校は家の建築日、職業を尋ねられ、誤魔化す。
結局、家を出ることにした一家。
こうもり傘と引き換えに農夫(西田敏行)と食べ物を交換。

飼い犬のレオを置いてきたことを気にかける子供達。
太一と敏夫が自宅に戻ると、昨日はとは違う兵士たちがいた。
レオの泣き声もする。
レオは逃げていなかった。
取り乱す太一。
勝手についてきた稔も泣き出す。
兵士達は鉄砲を家に撃ち込む。
太一が置いた灯油に引火して燃える。
家もレオも燃えてしまう。

兵士に見つかりそうになり、逃げだす一家。
夏には三鷹に暮らす。
国民学校に行かせるために戦時中の常識を教え込む。
しかし国民登録して、軍事教育を受けさせることに疑問を感じる太一。

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クロックスやらスケボーやらを売っては食べ物に換える、太一一家と敏夫一家。
小学生の稔はわりと生活に馴染む
敏夫は清子(三田佳子)に好かれているんじゃないかと言い出す。
朝、枕元に折り鶴が置かれており「お慕い申して降ります」と書かれてある
まんざらでもない敏夫
太一は清子を問い詰めるも速否定。
そして清子が好きなのは新也(奥智哉)だと判明。
清子は新也にそっくりな敏彦が好きだった。
それは敏夫の叔父。
フィリピンで亡くなっていた。
それを報告にきたのが、太一の父でそれが縁で結婚した。
会わせてあげたい、戦争に行かせたくない。
と思う信子たちだが、歴史が変わったら・・・太一も産まれてこない。

10月新也(奥智哉)が忽然と姿を消す。
そして将校がやってきた。
配給所に泥棒が入る。
泥棒の似顔絵は新也にそっくりだった。
将校が家宅捜索に入る
太一は隠れる。
兵隊の一人と目が合うがなぜか見逃してくれた。

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新也に書き置きを残し三鷹の家を出る。
荻窪にやってきて、国民登録をすませた。
これで配給が受けられれる。
太一、ひかり、敏夫は工場で働き始める。
信子も働く。
清子は2月14日は大きいのがあるからひかりは仕事を休ませたほうが良いと言う。
同じ防空壕に入っていた人がうぶかしむ。

太一は昭和20年3月10日の東京大空襲から一人でも多くの人を助けたいと思う。
敏夫と噂を流すしかないと話し合う。
ひかりもその意見に賛成
私たちがこの時代にきた意味はそれしかないと言う。

清子を占い師に仕立て、3月4日は雪、3月10日は大空襲
予言をすることに。
3月4日は雪。
その日、ビラを書く。
稔はそんなことしてもアメリカが空襲をやめないかぎり、人は死ぬと言う。
信子は父だけ気持ち良くなっているが、母・ひかりは隣組でしごかれて大変だからもっと手伝えと怒鳴る。
「どんな戦争でも人が人を殺して良い理由にはならない。」
太一は信子に話す

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太一は下町で5日からずっとビラを配り続けた
3月9日、目抜き通り。
ビラを配る太一の顔にも疲労が見える。
最後の一日くらい手伝うと敏夫がやってきた。
もうビラがない。
「だったら叫ぼうか?」
「そんなことして」
10日がダメでもその後の浅草・・・いつかは。
叫んでは逃げる。
叫んでは逃げる。
憲兵の後に見覚えのある人物を見つけた太一

「ずっと考えてたんですよ。
これが夢だったり錯覚だったりドッキリだったらいいな。
残酷なまでに現実。
消防団、兵士・・・全部同じヤツなんですよ。
だから・・・これやっぱり現実じゃないかもしれません。
敏夫さんも誰か話してみたらどうですか?
同じヤツがいるかもしれませんよ」

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帰宅すると新也がいた。
新也は飛行機工場で働いている
郵便局でばったり信子と会ったらしい
新也の顔つきに違和感を覚える敏夫
「お国のために働いてい
誰一人日本が負けると思っていません」
いじめもないしニートもない
みんな本気で日本のために働いている。
多様性なんてクソくらえだ。
8月になれば考え方は変わるという太一と敏夫
新也の隣にいる男は新也が優秀だと話す。
「瀬尾さんなら大丈夫ですよ。
2024年から来たんです」
「ミリタリー系かyoutuber何です
でもこの時代はガチなんで自分的には願ったり叶ったりであります」
「理解が追いつかない」
「おじさん、まだつまらないことをやってるそうですね
信子ちゃんから聞きました。」
「こんな戦争なんだよ?
秋にはこんな戦争ってみんな思うんだよ!」

「敏彦さん!よくぞご無事で。」
清子が入ってくる。
「お父さんはどうなの?
国を守る為に喜んで死んでいく人を笑うの?
だったら働きなよ
情けない
アメリカは無差別殺人をしている。
目の前で起きてることも私たちの現実
脚本家なんて誰も必要としていない。」
信子も新也に同調。
「私は今を生きてる!」
昔話ではない・・・
「目障りなんですよ!」
「一体どういう神経してるんだ!」
新也の胸ぐらを掴む敏彦
しかし新也にやりこめられてしまう。

「僕だって戦いたい!家では戦争の悪口ばかり聞かせて」
叫び暴れる。

「歴史を変えるため
勝ったほうが正義
勝てばいいんでしょう!!」

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空襲警報鳴る。
「そんなバカな。
荻窪が今日空襲だなんて。」
太一はめんこを探す。
表に出るが母や姉がいない
長い空襲のあと
「今夜、下町で大空襲があります!」
叫ぶ稔
「稔、ごめんな」
「パパのせいじゃないよ。」
歩いてくる憲兵
「寺本!プロデューサーの寺本だろ?」
振り返ったのは別人

その時爆風で太一が吹き飛ばされる
SNSの通知音が鳴り続ける。
目を覚まし左の腕から下がないことに気付く太一。
「稔?稔どこだ!」
寺本の声が聞こえる。
瓦礫の先には高層ビル群、スカイツリーが折れている。
「これ・・・いつ・・・?どこ・・・?」
うめき声が聞こえる
「み・・・ず・・・」
わずかな水を男に垂らす
「すいません。今、何年ですか?
昭和20年ですか?8月ですか?」
「にせんにじゅう・・・」
そのまま息絶える男
「2020・・・嘘だろ
じゃあこれなんだよ
なんだよ・・・これ」
寺本のLIVE配信が始まる
太一は家族の名前を呼ぶ。
スマホが踏まれる。
少年が少女をおぶっている。
少年は敏彦なのか新也なのか・・・。
「母さん・・・」
力なく倒れる

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原作はシリアスで、重苦しい内容だったのをここまでコメディに仕上げたのはクドカンの力量か
クドカン「不揃いの林檎たち」も好きだったもんね。
にしてもクドカン、忙しすぎやないか?

やっぱりラストは変えないよね。
このやるせなさよ。
稔もそして妻も娘も敏夫親子もどこにいるのかわからない。

昭和19年にタイムスリップして、空襲警報現代の核戦争に戻って来てしまった。
最後の敏彦と清子さんは・・・こっちにタイムスリップしてきたのか?
勝地涼は・・・地下シェルターに入ってLIVE配信・・・ってことは助かったのかな。

主人公の最期は・・・変わらないけれど、他の部分は思わせぶり。
あ、でも主人公の最期も・・・。
SFに答えなど入らないのです
どう取るかはあなた次第ってことでしょうか。

ワタシ、途中で中井貴一主演のこの作品を見ていたことに気付きました。
後味の悪い終わり方だなって思ったんですけど。
今回はライトに見られました。
でありながらも妻の顔を見ようとマッチを擦るシーンとか、橋爪功さんや西田敏行さんのシーンも良かった。
クロックスを履くばあちゃんもw

山田太一さんがこの改変を好むかどうかはわからないですが。
でもスマホのある時代の人がワープするには脚色が必要だな。

ただ令和の人がタイムスリップして、認知症の母がわりと戦争のことを覚えている・・・ってことで。
三田佳子が88才
大泉洋が49才
子供が中学生と小学生となると・・・ちょっと色々大変なんだなぁ。
ほんと戦争を語れる人が少なくなっている。
そして、今は戦後なのか戦前なのかわからない。

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キャスト
田宮太一(大泉洋)
田宮ひかり(吉田羊)
小島新也(奥智哉)
田宮信子(當真あみ)
田宮稔(今泉雄土哉)
五十嵐(神木隆之介/特別出演)
先輩俳優(田辺誠一/特別出演)
後輩俳優(塚本高史/特別出演)
農夫(西田敏行/特別出演)
老人(橋爪功/特別出演)
寺本真臣(勝地涼)
田宮清子(三田佳子)
小島敏夫(堤真一)

コメント

  1. ノンルール より:

    そういえば、裏のNACS丸かぶり...を防ぐためにも戸次重幸さんを「退場」させたのかも(苦笑)?

    令和版の本作品では、真面目さと二枚目ぶりが特徴の中井貴一だったのをクドカンだから、配役を逆に堤さんを柳沢慎吾が演じた役どころに逆にしてありましたが、うーん。

    確か平成版より、令和版が若干、尺が短くなっていたので、ややラストは唐突にも映りましたが、悪くはなかったと思います。

    • tarotaro tarotaro より:

      ノンルールさん、コメントありがとうございます。

      平成の作品も結末には驚いた記憶かあります。
      それを思い出してから…いつくる?いつくる?と思っていたので、結末が唐突には感じられませんでした。
      しかし令和版ではちょいちょい笑わせてくれたので、その最後もライトに受け入れられたと言うか。
      ワタシは塩梅が良いと思いましたが、これは好みの問題でしょうか。
      平成、昭和版が良い人もいるでしょうね。