「きよしこ」 ネタバレ 感想~伝わるよ。鍵のかかった心なんてないよ。

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「きよしこ」 / 重松清

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6歳のきよし
想像した友達・きよしことは楽しく話せる。
楽しいことも苦しいことも心の中では話さないといけないよ。
と言われた清は辛いこと悔しいことを吐き出す。
「伝わるよきっと」
言葉が出なくてもお母さんに抱きつけば、お父さんに抱きつけばわかってくれる。
抱きつかなくても手を繋げば。。。

すこし大きくなったきよしは転校することとなった。
相変わらず友達はできない。
神社での「おっちゃん」との出会い。
放課後はおっちゃんと遊ぶ毎日。
ある時体育の授業でホームランを打った清は、それ以来放課後は友達と遊ぶ。
引っ越しの日
神社にさよならを言いに行くがおっちゃんはいない。
自転車を海まで飛ばしどんぐりを投げておっちゃんに謝る。
「ごごごごめんなさい」



17歳の清
清は成績もよく野球も上手い。
国立大学も合格ライン。
しかし清は早稲田大学に行きたい。
清は教師になりたいと思っていた。
父に相談すると教師は朝から晩まで話す職業だから無理なのでは?と言うが、清は誰も助けてくれない場所で、誰も頼れない場所で頑張りたいのだ。
父は許してくれた。
母は受験勉強の合間に発音の練習をしたほうが良いと昔つかっていたテキストを置く。
ふるさとには家族がいる。
励ましてくれた両親。



何かと世話を焼いている相原和歌子(福地桃子)は東京に行くと聞いて呆然。
いつもの喫茶店に行って、いつも通りコーヒー二つと注文しようとした和歌子。
しかし清は「ここここ紅茶!」と注文。
東京では白石君みたいな田舎者は馬鹿にされる。
白石君はみんなに笑われるよ。
「アホや、この子。
東京には、うちみたいな子おらんよ。
絶対におらんよ。
通訳してあげられるほど白石くんのこと好きな子、おるわけないよ……」
目を赤くして喫茶店を出て行く和歌子。
清は東京に行く。

小説家の白石清(安田顕)は「きよしこ」を書き上げた。
吃音の子供に完成した本を送った。
”鍵がかけられた心なんてどこにもない”



「きつ音なんかに負けるなと息子を励ましてほしい」
と言う読者からの手紙。
吃音に負けるなっていうのはちょっと違うんだな、
勝ち負けではないし、訓練して治るかどうかもわからない。

6歳の鳥越壮真くん。
相変わらず可愛い。
そうか妹の出産の時に母と別れて吃音になったのかな。
でもきよしこにはちゃんと話せる。

ちょっと大きくなったの歩くん。
大きくなったなぁ、もうすぐ中学生だよ!
おっちゃんと仲良くなったけれど、一発ホームランを打てば・・・世界は変わる。
小学生なんてそんなもん。
おっちゃんもわかってくれているよねぇ。

で17歳の清くんは吃音を持っているラッパー達磨くんだそうです。
見知らぬ場所で一人で生きてみたいという清。
そう思えるようになっているのが素晴らしい。
中学高校では友達も出来ていて、まさかの大学生の彼女ワッチちゃんもいて。
なんとなくワッチがとても偽善者のように思えていたんだけど・・。
本当に清のことが好きだったのね。



「伝わるよ、きっと」
「本当に伝えたいことは伝わるよ」
作者から吃音の子供へのメッセージのような小説。
吃音ではなくても生き辛さを感じることもある。
清はきよしこと出会い「きっと伝わるよ」と言われたことで、表現をできる人間になりたいと思ったのかもしれない。
助けてくれるヒーローなんていないし、なにかすんごいことが起きる物語ではないけれど(きよしこの存在はすんごいことだけど)
結局、教師ではなく作家になったわけですが、ありがたい。
ありげてーよ。
重松さんが教師になっていたらこんな素敵な作品の数々を読めないし映像化して貰う事も出来なかったんですから。

吃音でなくとも伝えたかったことがうまく伝わらなかったこと。
言いたいことがきちんと言えなかったこと。
そんな経験はある。
そんなことを思い出した。
1時間ちょっと・・・スゴく短かったなぁ。





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キャスト
白石清(安田顕)
白石早織(西田尚美)
室井哲男(吹越満)
野村幹人(菊池風磨)
6歳の清(鳥越壮真)
8歳の清(横山歩)
17歳の清(達磨)
若林時英
奥智哉
相原和歌子(福地桃子)
どんぐりのおっちゃん(千原せいじ)
白石曜子(貫地谷しほり)
白石賢一(眞島秀和)

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